全国から集まった200名以上の代表者が出席するユネスコ協会連盟の今年度の初めての評議会に出席してきた。(13/01/2018)

 鈴木佑司理事長と川上千春事務局長が率いるユネスコ協会連盟から学ぶことが多々あった。(長谷川祐弘)

(Source: ING進学教室)


 鈴木佑司理事長は北海道、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州を含む日本各地の各ユネスコ協会の活動を参加者に伝えた。 2018年7月7~8日には北海道の函館に本年度の全国大会が開催されることを表明し、世界寺子屋運動、持続可能な発展のための教育(ESD)、青少年育成プログラム、ニュースレター広告やパンフレットの発行について説明された。また、ESD国際交流プログラム、サイエンススクール、グリーンペインティングコンテスト、ユネスコESDパスポートついても報告された。


 初めてこのユネスコ協会連盟の会議に出席し、全国に270ほどある協会から集まった参加者の活力と熱意に感銘を受けた。主な活動は、「世界寺子屋運動」を通して途上国での教育支援、国内外の身近な文化・自然を守り伝える「世界遺産・地域遺産活動」、日本の文化を未来につなぐ「未来遺産運動」、青少年に対する国際理解教育を推進する「青少年活動」である。また2011年(平成23年)3月11日の震災を受け、「東日本大震災 子ども支援募金」として子どもたちの学びを応援している。

 特に「世界寺子屋運動」は途上国の子どもたちの教育支援として成果をあげているようだ。江戸時代に始まった、この庶民の子供のための寺子屋学校制度は、おもに読書が出来るように文字を学ぶことから成っている。このようなプログラムを通して、日本のユネスコ協会は、アフガニスタン、カンボジア、ミャンマー、ネパール、その他の国々で、教育支援に積極的に寄与しているのは意義があると云えよう。


 川上千春事務局長によると、「書き損じはがきキャンペーン」では、使わなかった葉書や未使用の切手などを集め、資金にして世界寺小屋運動などの教育支援に充てているとのことだ。書き損じた葉書が100万枚以上にもなり、5千万円相当が寄付されたことになったとのことだ。資金化の方法としては、郵便局は葉書をそのまま買い取らないが、80~90%の相当額の切手で交換され、それを企業に買い取ってもらい現金化しているそうです。なお、識字事業にはその他現金での寄付が5000万円ほど毎年あり、合計で1億円強の支援金をいただいていることです。その他に犬養道子さんが提唱された、「一杯のスプーン」支援基金からも毎年1500万円ほどの寄付がよせられ、識字教室での食糧支援に使われているとのことです。過去30年間にわたり、こうした持続力ある寄付を集め教育支援活動に携わっているというユネスコ協会連盟は特筆すべきNGO機関であると感じた。

 ユネスコ憲章では、戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない、と述べていることは多くの人たちが知っている。しかし、無知と偏見をなくして人々の教義をひろめることによって紛争や戦争を回避することが重要であり、そのために地味に活動している団体には敬意を払いたい。

 鈴木理事長、川上千春事務局長、連盟事務局の方々、そして、日本中にあるユネスコ協会の皆様には頑張っていって下さい。


長谷川 祐弘
日本国際平和構築協会 理事長