(日本語) 「国連改革の行くえ」大島賢三 元国連事務次長が基調講演、和田幸浩 外務省国連政策課長が日本の政府の見解を説明する (17/03/2018)

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 日本国際平和構築協会は3月17日に、元国連大使・国連事務次長(人道問題担当)を務められた大島賢三大使をお迎えして、「国連改革の行くえ」というテーマで研究討論会を開催します。そこでは、外務省の和田幸浩国連政策課長にも、この改革案をどう捉えているか説明して頂き、他の加盟国との受け止め方に関しても討論します。討論者は、猪又忠德 長崎大学国際連携研究戦略アドバイザー・元国連諸組織合同監査団(JIU)独立監査委員・国連行財政諮問委員会委員、山崎節子 元UNDPベトナム・カンボジア事務所長、近藤哲生 国連開発計画(UNDP)駐日代表のお三方です。



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日本国際平和構築協会
第30回記念 講演・討論会


「国連改革の行くえ」


2018月3月17日(土) 15:00-17:45

東京大学 駒場キャンパス
10号館3F 301教室

参加費(資料代): (会員)無料 / (一般参加者)1,000円 / (学生)500円


司会: キハラハント愛 東京大学大学院准教授


15:00-15:10 開会の辞

15:10-15:40 基調講演

大島賢三 元国連大使・元国連次長(人道問題担当)

15:40-16:00 日本政府の見解

和田幸浩 外務省 総合外交政策局 国連政策課長

16:00-16:20 パネルディスカッション

  • 猪又忠德 長崎大学国際連携研究戦略アドバイザー
  • 山崎節子 元国連開発計画(UNDP)ベトナム・カンボジア事務所長
  • 近藤哲生 国連開発計画(UNDP)駐日代表

16:20-16:40 小休憩

16:40-17:40 自由討論

モデレーター: 長谷川祐弘 日本国際平和構築協会理事長

17:40-17:45 次回に関するご案内




大島 賢三 大使
 1943年、広島県広島市にて誕生。1967年、東京大学法学部中途退学。1967年、外務省入省。1997年~、外務省経済協力局局長。1999年~、国際平和協力本部事務局長。2001年~、国際連合事務次長(人道問題担当)。2003年~、オーストラリア駐箚特命全権大使。2004年~、国際連合政府代表部特命全権大使。2007年~、国際協力機構副理事長。2011年~、国際協力機構顧問。2011年~、国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員。2012年~、原子力規制委員会委員を歴任し、現在はアフリカ協会の理事長。


和田 幸浩 (わだ ゆきひろ)
 1993年 外務省入省、2007年 アジア大洋州局北東アジア課課長補佐・首席事務官、2009年 国連日本政府代表部一等書記官、2010年 国連日本政府代表部参事官、2012年 総合外交政策局総務課外交政策調査官・大臣官房(事務次官室)、2013年 総合外交政策局総務課外交政策主任調整官、2014年 アジア大洋州局大洋州課長、2015年 北米局北米第一課長、2018年 総合外交政策局国連政策課長(現職)


猪又 忠德 (いのまた ただのり)
 長崎大学国際連携研究戦略アドバイザー、国連大学IAS客員教授、国連諸組織合同監査団監査委員、国連行財政諮問委員会委員、在コスタリカ特命全権大使、神戸大学大学院国際協力研究科教授、在モントリオール総領事、在ウィーン日本政府代表部 公使、国連日本政府代表部 参事官、国連犯罪防止刑事司法委員会委員長、国連麻薬統制海上協力作業部会議長、国連貿易開発会議(UNCTAD) 事務局 製品部長職、OECD/IEA 産油国・消費国関係分析官、外務省 経済局、国連局勤務


山崎 節子 (やまざき せつこ)
 外銀勤務後、1983年国連開発計画(UNDP)フィリピン事務所に赴任以来、UNDPニューヨーク本部財務部部長室付補佐官、UNDP中国事務所代表補、国連ボランティア計画(UNV)ボン本部地域課長を経て、UNDPラオス事務所副代表、UNDPベトナム事務所長、UNDPカンボジア事務所長を歴任。国際機関事務所運営、開発援助変革と組織改革を指揮。ベトナムでは国連改革パイロットに参画。2016年退任。現在京都大学大学院総合生存学館特任教授。


近藤 哲生 国連開発計画(UNDP)駐日代表
 東京都立大学卒。米国ジョーンズ国際大学修士号。1981年外務省入省、フランス、ザイール、海洋法本部、国連代表部などで勤務。2001年にUNDP本部、総裁特別顧問、国連世銀イラク支援信託基金ドナー委員会事務局長。2005年に外務省を退職、UNDPバンコク地域本部津波被害復興支援上級顧問、国連東チモール派遣団人道支援調整官、2007年にUNDPコソボ事務所副代表、2010年UNDPチャド事務所長。2014年1月より現職。東京大学大学院非常勤講師、長崎大学客員教授。

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 アントニオ・グテーレス(António Guterres)国連事務総長は、2017年1月に就任すると、国際情勢の変動に伴い紛争の予防を可能にする為に、国連は平和、開発、人権の三分野において個別に作業されてきた活動を、出来る限り統合してより効率的そして効果的に実施することが緊急課題であるとの見解を示した。そのためには、国連は全ての分野での活動を新たな思考方法で包括的に捉え、政策の一貫性を保ちながら実施することが不可欠であると指摘した。国連事務総長は、国連職員は外部からの非難を真摯に受け止めて、一致団結して活動していけるように、大胆な改革を行う意志があることを示唆した。そして、「2030持続可能な開発アジェンダ」(2030 Sustainable Development Agenda)の実施と、紛争予防と平和維持の連携の必要性を力説し、成果主義と現地主義に基づいた業務執行の確立を目指した(1)平和と安全保障分野の改革、(2)開発・人道支援分野の改革と(3)国連のマネジメント改革を三つの分野において施行していくことを提案した。

 平和と安全保障分野に関するグテーレス事務総長の改革案は、2017年12月20日に国連の安全保障理事会において、一日中かけて討論された。この場で浮き彫りになったことは、変貌する紛争を予防するには何が必要かという課題である。もっとも、国連加盟国の間で問題認識と解決策を共有したこともあったが、意見が違った点も多々あった。 (※参考1: Prevention, Development Must Be at Centre of All Efforts Tackling Emerging Complex Threats to International Peace, Secretary-General Tells Security Council (Doc No. SC/13131))

 グテーレス国連事務総長が説く国連改革の必要性に関して、発言した殆どの加盟国の代表達は賛同の意を表した。また「2030維持可能な開発目標」を達成することが重要であるとの認識も共有した。しかしながら、紛争の根源が貧困か、格差か、統治力の貧弱さか、外部の介入か、国連の安全保障を携わる機関の構造的な欠陥か、これらの要因の重要度や相互関係に関する認識は異なった。そして、対応策あるいは解決策を、誰がどのように責任を果たすべきかに関しても、異なる見解が述べられた。 (※参考2: 日本国際平和構築協会 2018年1月5日付記事(日本語版))

 今回の研究討論会では、国連でどのように改革されるべきか、日本の国連大使そして人道担当の国連次長を務めた大島賢三大使と外務省の国連政策を担当している和田幸浩課長を迎えて意見交換いたします。



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